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こんごうりんじ
金剛輪寺
滋賀県愛知郡愛荘町
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湖東三山の一つ、金剛輪寺は、奈良時代に行基によって開かれたとされ、行基が自ら刻んだ際にに木から血が流れたという「生身の観音像」を御本尊として祀ります。戦国時代には織田信長の焼き討ちを受けましたが、国宝本堂をはじめとする中心部は焼き討ちを逃れ、当時の建物が今に伝わっています。
巡りポイント
およそ700年前の建築である本堂は金剛輪寺を代表する文化財です。堂内には多くの平安時代から鎌倉時代の仏像も安置されています。
広大な境内には、他にも三重塔などの古い建築や名勝の庭園など、金剛輪寺で育まれた豊かな文化を感じられるスポットが多くあります。
秋には「血染めの紅葉」と称される美しい紅葉の風景が楽しめることも魅力の一つです。
自然の美しさと歴史の重みを感じながら散策を楽しんでみましょう。
本堂(国宝)
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元寇をきっかけに再建された鎌倉時代建築
弘安十一年(1288)、蒙古襲来の勝利を祈願した近江守護の佐々木頼綱により建立。七間四面の正方形に近い形で、内部は外陣・内陣・後陣に分かれ、外陣と内陣の間には吹き寄せ菱格子欄間による結界を設ける。中世密教本堂の代表として国宝に指定。
感想■元寇をきっかけに本堂が再建されているということに驚きました。戦場となった九州から遠く離れた滋賀にも届いた、元寇の当時の日本社会に与えた衝撃の大きさが感じられました。
須弥壇には昔の僧侶たちが刻んだ和歌が残され、ここに祈りを捧げた人々がいたという確かな証に感動しました。
本堂内陣の仏像群(国指定重要文化財)
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平安・鎌倉仏の宝庫
本堂内陣には中央に秘仏本尊聖観音を安置する厨子があり、その両脇に二駆の阿弥陀如来坐像、四天王立像、不動明王・毘沙門天の立像が並んでいる。
いずれも平安後期〜鎌倉時代の作であり、国指定重要文化財となっている。
感想■内陣には所狭しと重要文化財の貴重なお像が並んでいました。
御本尊の観音さまの両脇に不動明王・毘沙門天を配置する様式は比叡山の横川中堂と同じだそうで、延暦寺とのつながりも感じられるお像でした。
慈恵大師(元三大師)坐像
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66体の元三大師像のうちのひとつ。
金剛輪寺には二体の慈恵大師(元三大師)の像が伝わり、ひとつは金剛輪寺に安置され、もうひとつは東京国立博物館に寄託されている。 ともに蓮妙という仏師の作で、蓮妙は父母の往生極楽を願い、66体の慈恵大師像を作ったとされる。
感想■両親の菩提を弔うために66体も元三大師像を作ったというエピソードには驚きでした。
鎌倉時代当時の元三大師信仰の強さを知ることができました。
待龍塔(国指定重要文化財)
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蘇った中世仏塔
寺伝では鎌倉時代に建立された三重塔。様式的には南北朝時代の特徴を持つ。近世以降荒廃し、三層目が失われていたが、昭和53年(1978)に復元された。
感想■壊れた状態で伝わってきた三重塔を取り壊すのではなく、復元して未来に伝えてもらえたことに感動しました。復元には近くの西明寺の塔が参考にされたそうで、湖東三山同士のつながりも感じることができました。
奈良時代の天平一三年(741)、聖武天皇の勅願により行基菩薩が開山。
平安時代、慈覚大師円仁が中興の祖となる。
鎌倉時代の弘安一一年(1288)年、蒙古襲来の戦勝祈願として、近江守護佐々木頼綱が本堂(国宝)を建立。
戦国時代には六角氏・京極氏などの武家の軍事基地としても活用された。