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さいみょうじ
西明寺
滋賀県犬上郡甲良町
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西明寺には、鎌倉時代に建立された本堂と三重塔が残されており、ともに国宝に指定されています。信長の焼き討ちを逃れたこれらの伽藍は、古い天台寺院の姿をそのまま今に伝えています。もみじと苔が美しい境内には、優しく穏やかな時間が流れています。
巡りポイント
西明寺の見どころは檜皮葺が美しい本堂と三重塔という二つの国宝建築です。
伽藍の建築は美しいだけではなく、そこには西明寺が歩んできた歴史や人々の祈りが詰まっています。
悠久の歴史に思いを馳せながら巡ってみましょう。
本堂(国宝)
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改築の痕跡が残る鎌倉時代を代表する仏堂
鎌倉時代を代表する建造物として国宝に指定される。鎌倉時代前期に造営された五間四面のお堂を南北朝時代に拡張して七間四面としたものであることが、蟇股の彫刻の違いなどから伺える。
感想■お堂の柱の風化具合や装飾の衣装の違いから、鎌倉時代の部分と増築された部分を見分けられるのも面白かったです。
本堂内陣柱絵
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近年の調査で発見された日本最古級の仏画
近年、堂内の柱から飛鳥時代のものと思われる仏画が検出された。
法隆寺と同じ飛鳥時代に遡るお堂を改造してできたのが現在の本堂である可能性が指摘されている。
感想■鎌倉時代に建てられたお堂が残っているというだけでも大変な価値があると思いますが、飛鳥時代の壁画が発見されたことで1300年以上前の祈りの空間が残されているかもしれないというところに感動しました。
今後の調査の進展にも注目したいです。
三重塔(国宝)
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檜皮葺が美しい鎌倉仏塔
本堂と同じく鎌倉時代を代表する建築であり、国宝に指定されている。純和様の様式の三重塔で、肘木や組物に鎌倉時代後期の特徴が見出される。
内部には建立当初の極彩色の壁画が残されており、建物そのものとは別に重要文化財に指定されている。
感想■檜皮葺の屋根が苔で覆われた境内と調和していてとても美しかったです。
本堂と合わせて鎌倉時代の建物が残っているということで、何百年もの間変わっていない景色を楽しめることに感動しました。
二天門(国指定重要文化財)
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国宝伽藍を守り続ける
二天門は室町時代の建築で、本堂・三重塔と同じく信長の焼き討ちを逃れた建築の一つ。
織田軍が焼き討ちにやってきた際、この門の前で僧侶が薪を積んで燃やし、寺が燃えたように見せかけたことで本堂や三重塔が燃やされずに済んだと伝わる。
感想■焼き討ちから伽藍を守るべく、僧侶たちが知恵を働かせたエピソードは興味深かったです。
門の両脇でお寺を守る二天像も焼き討ちを逃れたことを誇っているかのように堂々と立っていました。
平安時代初期、伊吹山を開いた僧である三修によって創建。
承和元年(834)、仁明天皇から西明寺の勅額を下賜される。
元亀二年(1571)、織田信長家臣、丹羽長秀による攻撃を受けるも、全焼を免れ、国宝本堂・三重塔をはじめとする寺宝が残る。