智満寺

静岡県島田市

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豊かな自然に囲まれた智満寺は、源頼朝が千葉常胤に命じて再興したことで知られ、頼朝が自ら植えたと伝わる頼朝杉という巨木もありました。惜しくも頼朝杉は2012年に倒れてしまいましたが、そこから作られた弥勒菩薩像が本堂にお祀りされ、頼朝杉への祈りは未来へと確実につながれています。

巡りポイント

深山幽谷の地にある智満寺には、大きな本堂のほか、中門、薬師堂、仁王門など桃山時代から江戸時代の茅葺の建築が立ち並びます。霊山の威厳を感じながら、智満の歴史を紐解いていきましょう。

本堂（国指定重要文化財）

茅葺が美しい霊山の本堂

本堂は天正17年（1589）の建築で、徳川家康によって建てられたものと伝わる。堂内には御本尊として千手観音像（秘仏・重要文化財）や元三大師像（秘仏・県指定文化財）を祀る。

感想■茅葺の迫力あるお堂は霊山、千葉山らしい力強さのあるお堂でした。堂内には千手観音や二十八部衆像、元三大師像などがお祀りされていて、歴史の詰まった祈りの空間が広がっていました。

弥勒菩薩

頼朝杉に吹き込まれた新しい命

天然記念物に指定されている智満寺の十本スギの一つ、頼朝杉は、源頼朝公お手植えのものと伝わるものでしたが、2012年に倒木してしまった。この頼朝杉から未来仏の弥勒菩薩像が造られて、頼朝杉は未来に繋がれることとなった。

感想■優しい表情をされた仏さまに美しい截金文様が施されていました。頼朝杉に「弥勒仏」という新しい命が吹き込まれたことで、頼朝杉に込められていた祈りの歴史が未来に継承されていきます。

薬師堂（静岡県指定文化財）

桃山・江戸初期の姿を残すお堂

薬師堂は桃山時代から江戸時代初期の建築とされるもので、静岡県指定の重要文化財となっている。堂内のお厨子も同時期のもので、建物とは別に県指定の文化財となっている。

感想■本堂以外にもたくさん古いお堂が残っていることに驚きました。お厨子も同じく古いものだということで、400年前の人々と同じ空間で祈りを捧げることができました。

智満寺の十本杉（国指定天然記念物）

霊山にそびえる大木

智満寺のある千葉山の山中には、平安時代・鎌倉時代に植えられたとの伝承を持つ十本の杉の大木がある。うち3本は倒木してしまったが、頼朝杉からは弥勒菩薩像・源頼朝像が造られている。

感想■十本杉の中には、開山の広智上人が植えたものや、再興した千葉常胤公が植えたと伝わるものなどがありました。ただ樹齢を重ねているだけでなく、それぞれに祈りの歴史が詰まっているのが魅力的でした。

report

レポート

まさに「深山幽谷」という言葉がぴったりの、自然の力強さを感じるお寺でした。
その歴史を紐解いてみると、平安時代の広智上人や鎌倉時代の源頼朝公にゆかりがあり、古来霊山として知られていたことがわかりました。
倒れてしまった頼朝杉から作られた弥勒仏が印象に残りました。古来の信仰を未来に伝えていく努力は尊いものだと思います。

history

ご由緒

寺伝によれば奈良時代の宝亀二年（771）、鑑真の孫弟子にあたる広智上人により創建。鎌倉時代、源頼朝が千葉常胤を派遣して再建したことから、山号を「千葉山」と称する。戦国時代には徳川家康、豊臣秀吉により寺領が安堵され、このころ本堂が再建される。江戸時代には寛永寺の末寺となり、智満寺住職は江戸での年始の儀式である将軍への年頭御礼に参加する資格を有し、高い寺格を保持した。

info

参拝情報

名称: 千葉山智満寺
（ちばさんちまんじ）
所在地: 静岡県島田市千葉254
googleMAP
参拝時間: 10:00~16:00
冬至から節分の間は9:00~16:00
荒天時参拝不可。
参拝料金: 要確認
宗派: 天台宗
宝物殿等: 要確認

アクセス: JR島田駅よりタクシーで20分。
駐車場: 有
境内MAP
Webサイト: http://chimanji.sakura.ne.jp/
備考: 紹介映像「静岡・岡崎のお寺を巡る（普門寺：最初～、智満寺：3分55秒～、真福寺：6分30秒～、瀧山寺：10分06秒～）」
https://www.youtube.com/watch?v=WrmUnZ81wUo