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1000人以上の僧侶による法要の舞台桃山文化を色濃く残す大寺院

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みょうほういんもんぜき

妙法院門跡

京都府京都市東山区

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天台五箇室門跡の一つである妙法院は、三十三間堂の本坊でもあります。妙法院には、豊臣秀吉が亡父母を弔う千僧供養を催すために造営したとされる桃山時代の庫裏が残されています。狩野派の障壁画も残され、桃山時代の豪華絢爛さを今に伝えています。

巡りポイント

桃山時代の遺風を残す雄大な建築が広大な境内に広がります。たくさんの人々が訪れた門跡寺院であることを示すように、一つ一つの建物には様々な偉人達との逸話が残されています。境内を巡り、層の厚い妙法院の歴史をひもといていきましょう。

大庫裏(国宝)(令和5年現在修復工事中)

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約1000人の食事をまかなった桃山時代の台所

豊臣秀吉が亡くなった父母を供養するため、千人もの僧による供養を行った際、僧侶たちの食事を作るための台所として造営されたと伝わる大規模な建築。巨大な天井を支える骨組みの壮大さは桃山時代の雰囲気を今に伝えている。

感想■日本で2箇所しかない国宝の庫裏のうちの一つが妙法院の庫裏です。桃山時代に1000人規模の食事をふるまった台所であると伝えられており、近年地下層にそのときのかまどの遺構が発見されました。大きな屋根を支える巨大な材木の数々、オレンジ色が美しい土壁も桃山文化を今に伝える魅力の一つです。

大書院(国指定重要文化財)

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豪華絢爛な襖絵に彩られる部屋の数々

重要文化財に指定されている大書院は、東福門院が使用していた建物を移築したものと伝わる。 部屋は四室からなり、一之間には「唐美人図」、二之間には「四季花鳥図」という障壁画が描かれており、2つの部屋の障壁画とも狩野光信の作と考えられている。

感想■大書院の各部屋は金箔がふんだんに使用された豪華絢爛な障壁画で彩られています。描かれてから400年近く経た現在においても、部屋に降り注ぐ日の光に照らされ障壁画が金色に輝いています。

庭園

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伏見城からそのまま移したと伝わる名庭園

大書院の前に広がる庭園・南庭は、石や植物の配置をそのままに伏見城から移してきたと伝わる庭園。庭の中心部に位置する池の形は、豊臣秀吉を連想させる千成瓢箪の形となっているそう。
感想■優美な建物の前に広がる南庭は、伏見城からそのまま移してきた庭であると伝わっています。よく見ないと気がつかない千成瓢箪を模した池の形は、もしかしたら豊臣秀吉が伏見城造営時に隠した遊び心を今に伝えているのかもしれません。

宸殿

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門跡寺院を示す優美かつ雄大な建築

現在の宸殿は明治31年(1898)に再建された建物。宸殿の中央には、阿弥陀如来像がおまつりされるとともに、鎌倉時代の花園天皇以来代々の天皇・皇后・中宮の位牌がおまつりされている。
感想■天皇をはじめとする皇族の位牌が多数おまつりされている宸殿。おまつりされているたくさんの位牌は、妙法院門跡がいかに皇族と結びつきが強かったかを示しているようです。また、江戸時代末期ころの宸殿は、八月十八日の政変による「七卿落ち」の舞台ともなり、宸殿前に石碑が建てられています。

本堂

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ユーモラスな龍が見守る妙法院の本尊

境内の南東奥に位置する建物に妙法院の本尊である普賢菩薩がおまつりされる。平安時代に造立された普賢菩薩像は国指定の重要文化財に指定されている。また、天井には「幻の画家」とも言われる江戸時代の画家、調子武音(ちょうしぶおん)による龍が描かれている。
感想■穏やかな眼差しを私たちに向ける普賢菩薩像は、平安時代後期に造立されたと伝わっています。その頭上に描かれている龍の眼差しは、どこかはにかんでいるような愛嬌のある表情を私たちに向けています。江戸時代当時、円山応挙や伊藤若冲と並ぶ絵師とされた絵師と平安時代の仏像との共演に足を踏み入れてはいかがでしょうか。

report

学生レポート

立命館大学生命科学部3年

やはり1000人近くの僧侶の食事をまかなっていた庫裏の雄大さに圧倒されました。現在の日本の山々では滅多に見られないような巨木を数多く使った柱の太さや大きさには言葉を失うほど驚きました。5年以上の年月をかけた修復工事においてたくさんの新発見が発表されている国宝・庫裏。これからの修復工事の進展によりどのような新発見がなされていくのか注目です。(2021年2月6日)

history

ご由緒

延暦年間、伝教大師最澄により比叡山山内に開かれた坊が起源であると伝わる。 平安時代末期には後白河院の帰依を受け、洛中に移転する。戦国時代には豊臣秀吉による千僧供養の舞台となり、桃山文化を色濃く残す雄大な庫裏は、千僧供養の遺風を今に伝えている。

info

参拝情報

名称
南叡山 妙法院門跡
(なんえいざん みょうほういんもんぜき)
所在地
京都府京都市東山区妙法院前町447
googleMAP
参拝時間
境内自由
参拝料金
院内非公開
宗派
天台宗
宝物殿等
有り(非公開)
アクセス
京阪電車「七条駅」から徒歩約10分
市バス「東山七条」または「馬町」下車、徒歩約2分
駐車場
Webサイト
http://sanjusangendo.jp

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