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中世山岳寺院の景観を残す、西の比叡山

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えんぎょうじ

圓教寺

兵庫県姫路市

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西国三十三所札所の一つ、書写山圓教寺は1000年前の平安時代に性空上人によって開かれたお寺で、都の天皇や貴族の崇敬を集め発展してきました。 圓教寺には室町時代に建立された三つのお堂が並ぶ「三つの堂」と呼ばれる一帯があり、中世の景観をそのまま残す空間として、しばしば歴史ドラマや映画のロケ地としても使用されています。

巡りポイント

西の比叡山とも称される円教寺には、広大な境内にさまざまなお堂が立ち並びます。 性空上人以来1000年の祈りの歴史の重みを感じながら、境内を巡ってみましょう。

護法堂(国重文)

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円教寺の守護神、乙天・若天を祀る

開山堂の前に二棟並んで立つ護法堂には、性空上人と円教寺の守護神、乙天・若天が祀られている。 乙天・若天は毘沙門天・不動明王の化身とされ、性空上人の修行を助けたと伝わる。現在の建物は戦国時代の永禄二年(1559)の建立である。開山堂の前に二棟並んで立つ護法堂には、性空上人と円教寺の守護神、乙天・若天が祀られている。乙天・若天は毘沙門天・不動明王の化身とされ、性空上人の修行を助けたと伝わる。
現在の建物は戦国時代の永禄二年(1559)の建立である。

感想■護法堂は檜皮葺の建物が二棟並んでいて美しかったです。 性空上人を祀る開山堂の前にあって、今も乙天・若天が性空上人を守っているようにも見えました。

摩尼殿(兵庫県指定文化財)

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圓教寺の歴史はここから始まった

摩尼殿は如意輪観音お祀りするお堂で、性空上人によって天禄元年(970)に建立された。 性空上人はこの地にあった桜の木に天人が礼拝している姿を見て、桜の木に如意輪観音像を刻み、お堂を整備したと伝わる。 昭和8年(1933)に再建された現在の建築は、近代建築の巨匠、武田五一によって設計されたもので、兵庫県の文化財に指定されている。
感想■摩尼殿は懸造の大きなお堂でとても迫力があります。 火災の度に再建され、円教寺の方々にとても大切にされてきた摩尼殿は、性空上人の願いを最も色濃く伝えるお堂なのではないでしょうか。

大講堂(国指定重文)

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創建当初の仏像を今に伝える

大講堂は本堂にあたるお堂で、経典の論議などもこのお堂で行われる。現在の建物は室町時代のもので、重要文化財に指定されている。 堂内に安置される釈迦三尊像及び四天王像は性空上人の弟子、感阿によって造られたもので、円教寺創建当初から残るお像である。これらもまた重要文化財に指定されている。
感想■それぞれの部材が大きめで力強さのある本堂。 内陣部分は延暦寺と同じ土間敷になっていて厳かな雰囲気がありました。 性空上人も拝んだであろうお像に今もお参りできるのも大きな魅力だと感じました。

食堂(国指定重文)

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修行僧の生活の場

後白河天皇によって平安時代末期に創建された食堂は僧侶の寝食の場である。 現在の建物は室町時代ごろのもので、数百年の間一階部分のみが造られた状態であったが、昭和の解体修理で二階部分が完成した。 二階は円教寺の文化財を安置する宝物館になっている。
感想■40メートル以上の長さの食堂は大講堂や常行堂の屋根に迫るほどの大きさで、「長堂」とも呼ばれているそうです。 二階には山内のお堂に安置されていたお像が集められており、円教寺の信仰の歴史を学ぶことができます。

常行堂(国指定重文)

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舞台がついた珍しい建築

室町時代に造られた常行堂内部には、性空上人の弟子、安鎮作の阿弥陀如来像が本尊として祀られている。 大講堂側には楽屋と舞台が接続しており、大講堂の釈迦如来に対して舞楽が奉納されるステージとなっている。
感想■常行堂にも性空上人の時代のお像がお祀りされていて感動しました。 常行堂の舞台の高さはちょうど大講堂のお釈迦さまと同じくらいになっていて、お釈迦さまが舞楽を楽しめるように設計されているそうです。

開山堂(国指定重文)

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開山、性空上人を祀る

開山堂は奥之院の中核となるお堂で、圓教寺を開山した性空上人を祀る。 現在の建物は江戸時代の寛文十三年(1673)の建築で、重要文化財に指定されている。 開山堂にはお厨子の中に鎌倉時代の性空上人像が安置される。 開山堂の床下からは性空上人の遺骨を納めたものと思われる壺が発見されている。
感想■お厨子は装飾も豊かな立派なもので、性空上人の存在感の大きさがうかがえました。 お像の中や開山堂の下には性空上人のお骨が納められているそうで、今も性空上人がこの地にいるかのような感覚になりました。

report

学生レポート

京都大学文学部4年

ご訪問を終えて

姫路を代表する寺院の一つ、円教寺は、広大な境内いっぱいに歴史が詰まったお寺でした。三つの堂や奥の院など、歴史的な建造物が立ち並ぶ姿は圧巻でした。
多くの人々が足を運ぶ背景には、西国三十三所の札所の一つにもなっている観音さまや開山の性空上人への生きた信仰があるのではないかと思います。
性空上人以来1000年の信仰の歴史をこれからも紡ぎ続けていってほしいお寺です。

history

ご由緒

平安時代の康保三年(966)、九州で修行した性空が上洛途中で書写山で草庵を結んだことに始まる。天皇や貴族の信仰を集め、堂舎が造営される。 中世には禅宗や山岳修験を包摂し、寺内集団を拡大する。 戦国時代には戦乱に巻き込まれ、荒廃する。 江戸時代には姫路藩主本多忠政によって復興される。

info

参拝情報

名称
書寫山圓教寺
(しょしゃざんえんぎょうじ)
所在地
兵庫県姫路市書写2968
googleMAP
参拝時間
8:39~17:00(冬季) 
8:30~18:00(春季~秋季、日祭日は延長あり)
参拝料金
一般:500円
中高生以下:無料
宗派
天台宗
宝物殿等
無し
アクセス
JR・山陽電鉄「姫路駅」から神姫バス「書写ロープウェイ行」で終点下車(約30分)
駐車場
有(無料)
境内MAP
Webサイト
http://www.shosha.or.jp/
SNS
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備考
紹介映像「書寫山圓教寺で90年ぶりに四天王像が魔尼殿よりもとの大講堂へ」
https://www.youtube.com/watch?v=6npoYaOwJ5g

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