「歴史を繋いだ想いを未来へつなげる」日本文化の魅力交流ポータル

  • Instgram
  • facebook

御所としても用いられた、皇室ゆかりの門跡寺院

いいね 2

しょうれんいんもんぜき

青蓮院門跡

京都府京都市東山区

  • 行きたい
  • 行った
天台五箇室門跡の一つである青蓮院は、最澄が比叡山に建てた住坊の一つである青蓮坊が起源です。平安時代末に鳥羽法皇が帰依にして院の御所に準じて京都に殿舎を造営し、門跡寺院となりました。最も隆盛を極めたのは、第三代門主慈圓の時です。慈圓は当時新興宗教であった法然や、親鸞に理解を示し、延暦寺の抑圧から庇護致しました。 「粟田御所」の別名を持ち、江戸時代には後桜町上皇の仮御所となっています。京都を代表する景勝地である東山エリアにあり、門跡寺院特有の上品で優しい雰囲気を楽しむことができます。

巡りポイント

青蓮院は火災等の被害に遭いながらも、円仁の厳修した「熾盛光法大法(しじょうこうほうだいえ)」や文化財を守り伝えています。また青蓮院は和風唐風を融合した青蓮院流が生まれた場所でもあります。境内を巡り、伝統と文化が受け継がれ生まれた場所に触れてみましょう。

兜跋毘沙門天立像(国指定重要文化財)

  • 兜跋毘沙門天立像(国指定重要文化財)
  • いいね

青蓮院が興隆した鎌倉時代の毘沙門天像

本堂の奥に安置される。金鎖甲や海老籠手、地天女を踏む点等から兜跋形の毘沙門天像である。熾盛光堂(建永元年)および大懺法院(承元二年)が設けられた際に毘沙門天像が祀られたことが文献から分かり、どちらかに安置されていたと想定される。快慶周辺の慶派仏師の作であるとみられる。

感想■まっすぐ正面を睨む顔つきや甲の細かい彫りから、そこまで大きくない像でありながら力強さを感じることができました。慈円の時代から青蓮院を守り続けるありがたい像であると感じました。

本堂(熾盛光堂)

  • 本堂(熾盛光堂)
  • 本堂(熾盛光堂)
  • 本堂(熾盛光堂)
  • 本堂(熾盛光堂)
  • いいね

珍しいご本尊「熾盛光如来」

青蓮院の御本尊は『熾盛光如来曼荼羅』という珍しいものである。熾盛光如来は大日如来の仏頂尊(頭の頂におられる極めて崇高な仏さま)であり、全国でもこの仏を御本尊としているのは青蓮院門跡のみである。現在の御本尊は豊臣秀吉によって復元再作成奉納されたものである。 この熾盛光如来を本尊とする熾盛光法大法は、慈覚大師円仁によって始められた天台宗でも重要な修法である。宮中から天変地異や疫病を収めることや国の平和などを祈願する役割を担った。

感想■円仁が鎮護国家のために厳修した「熾盛光法大法」を、現代にまで受け継がれている重要なお堂でした。円仁の願う天変地異の息災と皇室の安寧の思いは、これからも続くのだと感じました。

宸殿

  • 宸殿
  • 宸殿
  • 宸殿
  • 宸殿
  • 宸殿
  • 宸殿
  • 宸殿
  • いいね

親鸞が得度した門跡寺院特有の建築

門跡寺院の中でも最も重要なお堂が宸殿である。門跡寺院特有なもので、主要な法要を行う。浄土真宗の宗祖である親鸞聖人が当時の門主慈円によって得度した縁で、「お得度の間」とも言われる。 青蓮院門跡の宸殿は江戸時代の御水尾上皇の中宮である東福門院のために建てられた御常御殿を天和三年(1683)に移築したもので、明治二十六年(1893)に火災で焼失したが、二年後に忠実に復元された。

感想■親鸞聖人がこの場所で得度を行ったことを聞き、その場所にいられることに感動しました。本願寺の法主は明治時代まで青蓮院で得度しなければ公に認められなかったそうです。 鎌倉時代の青蓮院の興隆を感じることができるようでした。

障壁画 浜松図 (国指定重要文化財)

  • 障壁画 浜松図 (国指定重要文化財)
  • 障壁画 浜松図 (国指定重要文化財)
  • 障壁画 浜松図 (国指定重要文化財)
  • いいね

天皇と徳川家の繋がりを示す絵画

宸殿にある重要文化財の障壁画「浜松図」は狩野派による作で、徳川秀忠の娘、和子が御水尾天皇に入内した時に持参したものと伝わる。 宮中の美術をつたえる門跡寺院らしい文化財といえる。

感想■浜松図は金箔の中に繊細に松が描かれており、優雅な絵で女御御殿にあった図であることも納得できるようでした。 宸殿という威厳のある場所に合い、よりこの場の重厚感を増しているようでした。

青不動(国宝)

  • 青不動(国宝)
  • 青不動(国宝)
  • 青不動(国宝)
  • いいね

三不動と称される不動明王像の一つ「青不動」

平安時代に描かれた不動明王像で、体を青黒色で表している特徴から「青不動」と呼ばれてる。園城寺の黄不動、高野山の赤不動と並び称される、平安仏画の傑作である。 実物は将軍塚青竜殿奥殿に安置されている。(通常非公開)

感想■本堂の裏側に複製の青不動が掛けられていました。不動明王は睨みを利かせ、後ろの炎が轟々と燃え動きがあり、物凄い気迫を感じました。この不動明王に睨まれたら誰しもこの不動明王に従いたくなり、煩悩や諸悪を断ち切り救ってくれるのだと感じました。

report

レポート

門跡寺院という格式の高い寺院であり、青不動や宸殿等門跡寺院という威厳を感じることができました。一方で広々とした庭園や落ち着いた建物からを安心でき、このような場所であったからこそ青蓮院流の書等の文化が発展する場ともなっていた寺院であったのだと思いました。緑に包まれたおだやかな空間とともに最澄以来の伝統も感じることができる素敵な寺院でした。(2023年10月7日)

奈良大学文学部文化財学科4年

history

ご由緒

伝教大師が比叡山に開いた住房「青蓮坊」を起源とする。 平安時代末期の嘉応元年(1169)、鳥羽法皇の皇子、覚快法親王が青蓮院で得度するにあたり、三条白川に青蓮院を新しく造営し、院の御所に準じる扱いとした。 鎌倉時代初期の元久二年(1205)、慈円が現在地に移した。 鎌倉時代には法然上人や親鸞上人ともゆかりがあり、本願寺との関わりも深い。 応仁の乱で焼失するも、江戸時代初期に復興された。

info

参拝情報

名称
青蓮院門跡
(しょうれんいんもんぜき)
所在地
京都府京都市東山区粟田口三条坊町69-1
googleMAP
参拝時間
9:00~17:30(最終受付16:30)
冬季(12月〜2月)は9:00~16:30(最終受付16:00)
参拝料金
大人:600円
中高生:400円
小学生:200円
宗派
天台宗
宝物殿等
無し
アクセス
京都市営バス「神宮道」から徒歩3分
京都市市営地下鉄「東山駅」から徒歩5分
駐車場
有(普通車5台、大型バス3台)
境内MAP
Webサイト
http://www.shorenin.com/
SNS
  • Instgram

近くの寺院を巡ろう