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ご由緒
天安2年(858)に慈覚大師によって開山されたと伝える。薬師堂には、慈覚大師ゆかりの赤と青の2色からなる石仏がご本尊としてまつられ、お前立ちとして鎌倉時代に造立された薬師如来坐像が参拝者を迎える。薬師堂につながる杉木立は、江戸時代に当地に移住した商人の寄進により整備されたという。
温泉街を見守る2色のお薬師さま
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やくしじ
山形県南陽市
日本屈指の名湯、赤湯温泉。この地を1000年以上見守り続ける薬師寺は、いつの時代もたくさんの人々から愛されるお寺でした。広大な境内には、創建より現在に至るまで薬師寺に縁のある人々ゆかりの建物、お像、風景があります。それらを巡り、人々の思いをひもといていきましょう。
薬師堂へと向かう階段の途中、にらみをきかせる仁王像が仁王門に安置されている。仁王像の前には、2021年3月に新調されたという大わらじがかけられている。全長約3m、総重量約250kgにもなる大わらじ。大わらじに触れると無病息災の御利益があるという。
薬師堂へ続く階段の両脇にある杉木立。樹齢200年にもなる杉の大木群は、江戸時代、赤湯の地に居を構えた近江商人・小川平左衛門が寄進したもの。現在も小川家は薬師寺の檀信徒として交流は続いているそう。
平成13年に落成された本堂正面には阿弥陀三尊像が、脇には伝教大師がおまつりされている。天井には色鮮やかな季節の花々の姿が描かれ、堂内が華やかに荘厳されている。また、同年に落成された法燈殿には地蔵菩薩像を中心に檀家のみなさんおご位牌がおまつりされている。
薬師寺の開山は天安2年(858年)、慈覚大師によると伝わる。慈覚大師がこの地を訪れたとき、どこからともなく聞こえてきた鈴の音をたどったところ、二色の光を放つ巨大な霊木を発見。その光源である根元を掘ったところ、赤と青の石仏の薬師如来像が発見されたという逸話が残る。その石仏は現在も薬師堂におまつりされ、歴代のご住職が就任された時だけご住職の前に姿を現す。この逸話は薬師寺のある地名「二色根」の語源となっている。
秘仏である2色の石仏・薬師如来像の前には、優美な眼差しをむける薬師如来坐像がおまつりされている。鎌倉時代に造立されたと考えられ、山形県の文化財に指定されている。右手は施無畏印、左手には薬壺をもつ。流れるような衣の表現が特徴的である。堂内右側には不動明王立像、左側には毘沙門天立像がおまつりされる。その周りを十二神将立像がかためる。いずれも江戸後期の作という。
学生レポート
立命館大学生命科学部4年
ご由緒
天安2年(858)に慈覚大師によって開山されたと伝える。薬師堂には、慈覚大師ゆかりの赤と青の2色からなる石仏がご本尊としてまつられ、お前立ちとして鎌倉時代に造立された薬師如来坐像が参拝者を迎える。薬師堂につながる杉木立は、江戸時代に当地に移住した商人の寄進により整備されたという。
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