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西国札所の巡礼者で賑わう革聖の御堂

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ぎょうがんじ

行願寺

京都府京都市中京区

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西国三十三ヵ所巡礼の第19番札所として知られる古刹行願寺。およそ1000年の歴史を持ち、「革堂(こうどう)」と親しみをこめて人々に呼ばれる行願寺には、創建よりたくさんの人々が参拝に訪れます。多くの人々に愛される行願寺の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

巡りポイント

行願寺の境内には、行願寺を開いた行円上人と上人を慕うたくさんの人々の痕跡が数多く残されています。現在も多くの人々が訪れる境内は、貴賤問わず愛された行円上人の人となりを表しているようです。

本堂(京都市指定有形文化財)

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行円上人自作のお像をまつる荘厳な仏堂

寛弘元年(1004)に行円上人により開かれた行願寺は、現在の場所とは異なり一条小川に伽藍を構えていたという。その後、たびたび戦乱に巻き込まれ、宝永5年(1708)の大火の後に現在地に移った。現在の本堂は文化12年(1815)に建立された建物で、境内に残る鐘楼とともに京都市指定有形文化財に指定される。堂内中央には、行円上人自作の十一面千手観音立像がおまつりされる。ご本尊は秘仏のためお姿を直接拝することはできないが、像高2mにもなる巨像であるという。体を囲むように伸ばした腕の表面に小さい手がびっしりと、まるで鱗のように表現されているという。

感想■まるで鱗のように千本の手が鱗のように表現されているというご本尊のお姿に興味を持ちました。千手観音の手は、生きとし生けるものを漏れなく救うということを示していると言われているそうです。実際に千本近くの手を持つご本尊を造立した行円上人は、行円上人が狩人を辞め僧侶になった逸話が示すように、人々だけでなく動物や植物などの全ての命を救いたいという気持ちを持ちご本尊を造立したのかなと想像が膨らみます。

本堂の天井彫刻

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本堂建立に尽力した人々が寄進した生き生きとしている花鳥の彫刻

文化12年(1815)に再建された本堂の天井には、再建にあたり支援した人々により寄進された花鳥の精緻な彫刻が飾られている。彫刻の横の短冊には寄進をした人物の名が記されており、1枚1枚異なる名が記されていることから、行願寺の再建がたくさんの人々の協力により成されたことがわかる貴重な文化財である。

感想■今にも動き出しそうなほどリアルに彫られた天井彫刻の美しさに心が動かされました。かわいらしくユーモラスな表情の鳥たちやコウモリの姿がオススメです。

脇壇におまつりされる諸尊

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優しい眼差しのお地蔵さんと行願寺にゆかりのある人々

ご本尊の両脇には、西国三十三ヵ所巡礼全ての寺院の観音さまのお像がおまつりされる。左の脇壇には元三大師のお姿と行願寺に縁のある人々のお位牌、右の脇壇には2m近くにもなる地蔵菩薩立像と西国三十三ヵ所巡礼を再興した花山法皇のお姿がおまつりされている。

感想■右の脇壇におまつりされるお地蔵さんは、頭部と体部で造立された時代が異なるそう。綺麗な彩色や截金が残り、この像が大切に守られてきたことがわかりました。また、ご位牌の中には德川将軍家など歴史上の偉人達のご位牌があるそうですが、行願寺とどのようなご縁があったのか記録が残っていないそう。誰でも知っているような偉人たちと行願寺がどのようなつながりがあったのか今後が楽しみです。

report

学生レポート

立命館大学生命科学研究科2年

子鹿をはらんだ母鹿を殺めたことを悔い、たくさんの人々を救うべく貴賤を問わず教えを説いた行円上人の気持ちが境内にあふれているように感じました。実際に千本近くの手が表現されているご本尊や今も行願寺に伝わる上人が身につけた鹿の革の衣のお話を伺うと、上人の生きとし生けるものすべてを救いたいという願いが時代を超えて人々に受け継がれ、人々の支えとなっていることを身にしみて感じました。

history

ご由緒

寛弘元年(1004)、行円上人により創建された。かつて狩人であった行円は、子鹿をはらんだ母鹿を殺めたこと悔やみ出家したという。その際殺してしまった母鹿の革を身にまとい教えを説いたことから「革聖」と呼ばれ、革聖の堂ということから行願寺は「革堂(こうどう)」と呼ばれるようになったという。かつて一条小川にあったが戦乱により度々移転をし、宝永5年(1708)の大火の後に現在地に移ったという。行円上人自作の十一面千手観音立像は信仰をあつめ、西国三十三ヵ所巡礼の第19番札所としても有名。

info

参拝情報

名称
霊麀山行願寺
(れいゆうざんぎょうがんじ)
所在地
京都府京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町
googleMAP
参拝時間
8:00〜16:30
拝観料
無料
宗派
天台宗
御本尊
千手観世音菩薩
宝物殿
アクセス
公共交通機関
■京阪電車「 神宮丸太町」駅下車徒歩10分
■京都市営地下鉄 「京都市役所前」駅下車徒歩約15分
駐車場
なし(近隣の駐車場をご利用ください)
Webサイト
https://kaudau.jp/

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